今や日本全国で生産され、1年を通じて市場に出回るキャベツ。そんなキャベツの中でも、春の訪れとともに最初に出荷される露地野菜の代表格が春キャベツです。一般的に葉がやわらかく甘いのが特長で、生でも調理しても食べることができます。そのことが、新鮮=生食を好む日本の食文化に受け入れられたのでしょう。
キャベツは、1年間で3回収穫することができます。市場で春キャベツと呼ばれるものは、毎年10月下旬から11月初めに定植し、翌年4月下旬から5月にかけて収穫、出荷するものです。雪の下で生長するため、100アール当たりの収穫量が他の時期よりも少なくなりますが、病害虫を防ぐための農薬散布や除草作業が少なくて済みます。
富山県内では、米づくりとの複合作物などとして作られてきました。白ねぎ栽培がさかんな射水市新湊地区の庄川河川敷では、白ねぎと交互にキャベツが作られています。この新湊地区をはじめ、大門、大島、小杉地区を含むJAいみず野管内は、県内有数のキャベツ産地で、年間200トン前後を市場へ出荷していますが、春キャベツを170トン前後出荷しており、これは年間出荷量の8割程度を占めます。
本県では春キャベツの他に4月上旬に定植し6月に収穫、また8月下旬に定植し10月に収穫するものがあります。
JAいみず野管内のうち大門、大島、小杉地区は、集落営農の組織づくりが他に先がけて進んでおり、農業に取り組む担い手が多い地域です。平成13年頃からキャベツの出荷がはじまり、現在では10余りの集落営農が1年を通じてキャベツを作っています。県内ではじめてキャベツの苗の自動定植機を導入するなど、精力的な活動が見られる地域です。
JAいみず野では、キャベツを枝豆やブロッコリー等と並ぶ最重点作物と位置づけ、定植時期や作付け品種の調整によって、年間を通じて出荷できる体制づくりを目指しています。
JAいみず野では、2010年は例年より2週間ほど遅れ、GW明けから春キャベツの出荷がはじまりました。キャベツは天候によって収穫量が大幅に増減し、需要と供給の関係によって価格が変動するリスクがあります。ここ1年ほどの推移を見ても、ひと玉あたり20〜500円と、価格が激しく変動し、収益が安定しません。2010年は、春先に強い寒気に襲われ天候不順が続いたため、全国的にキャベツの生育が遅れました。そのため、春キャベツの出荷が例年より遅れ、価格の高騰を招きました。需給の安定が一旦損なわれると、その後の揺り戻しで価格は崩れ、生産者は大きな打撃を受けます。
キャベツは、人参やピーマンといった有色野菜と比べてベータカロテンの含有量が少なく、栄養価が劣ると言われてきました。しかし、ビタミンCが非常に多いことがわかり、その効能が見直されました。また、ビタミンUという胃腸の働きを助ける成分が多く含まれます。これは胃散の分泌を抑え、胃腸の新陳代謝を活発にして、胃潰瘍や十二指腸潰瘍を治りやすくすると言われます。